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私たちは、高分子材料のマクロな流動特性とそれを構成するミクロな高分子鎖の挙動との関係を解明するための学習法を開発しました。このミクロとマクロの結合とそれに伴う記憶効果により、高分子流体の研究は現代の材料科学の中でも最も困難な課題の一つとなっています。分子を繰り返しつなげた構造である高分子は,食品,プラスチックやゴム,最新の電子機器の製造など様々な分野で使用されています。近年,高機能な高分子製品を費用対効果の高い方法で生産したいというニーズが高まっていますが、高分子物理についてはまだ理解できていないことがたくさんあり,様々な点で十分に最適化されていません。特に,マクロな流動に対するミクロな高分子の変形応答である応力については,高分子の状態を介した複雑な記憶効果のため,この応答を予測するための一般的で解析的な方程式はまだ分かっていません。私たちが提案する方法は、これらの記憶効果を学習するための方法を提供し,この方法により,ミクロとマクロのスケール間を直接的に結び付けたマルチスケールシミュレーションを可能にしました。この研究成果により、現在の最先端のシミュレーション手法を飛躍的に加速させ、より洗練された高分子成形法を実現し、次世代の高分子製品を生み出すことが期待できます。
〔モリーナ ジョン (助教, 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻) / 谷口 貴志 (准教授, 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻)〕

( https://journals.aps.org/prresearch/abstract/10.1103/PhysRevResearch.2.033107 )

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