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神戸大学大学院システム情報学研究科の谷口隆晴准教授、博士後期課程の学生の陳鈺涵さんと、大阪大学大学院基礎工学研究科の松原崇准教授らの研究グループは、一般の観測データから、データに隠された運動方程式を抽出することで、物理学に忠実なモデルを作成する人工知能技術の開発に成功しました。

今後、この技術により、これまで力学の理論で説明できないと考えられていた現象に対して、隠された運動方程式を発見できるかもしれず、例えば、生態系の持続可能性の検討に物理学の知見や物理シミュレーションが応用できる可能性があります。

ポイント:
・人工知能を用いて物理現象のモデル化(数式化)が可能となれば、シミュレーションの高精度化・高速化につながる。
・今までの人工知能を用いた方法では、運動方程式に従うようにデータを変形して与える必要があり、運動方程式が未知であるような実際の観測データに適用することが困難であった。
・本研究では、幾何学を応用することで、どのような形式で観測データが与えられても、そこに隠された運動方程式を見つけ、それに従ったモデル化が出来る人工知能技術を開発した。
・生態系の変化など、従来、ニュートン力学の対象ではないと思われていた現象に対して、隠された物理法則を発見できる可能性がある。
・そのような現象に対して、物理学の理論を応用した考察やシミュレーションが行えるようになり、未知の性質が解明される可能性がある。

この研究成果は、2021年12月6日から開催の、人工知能技術に関するトップ会議「Thirty-fifth Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS2021)」で、採択率が約3%である Spotlight 枠で採択され、発表されました。

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