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  • 人工知能(AI)が効率的な混ぜ方を自動で学習
    ~流体混合問題に対する強化学習の有効性を実証、環境低負荷型社会実現への貢献に期待~

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製薬や化学⼯業においては少ないエネルギーかつ短時間で均質な混合状態を実現すること、つまり流体混合の「促進」が課題となります。一方、重油等の環境汚染物質が海中や空気中に流出した場合は混合を「抑制」する必要があります。これらの例をはじめとして、⽬的に応じた流体混合の制御は、さまざまな場面で求められています。しかし、流体混合のふるまいには未解明な部分も多く、制御に応⽤可能な最適化⼿法は確⽴されていません。

東京理科大学理学部第一部応用数学科の犬伏正信准教授、大阪大学大学院基礎工学研究科の小西幹人氏(研究当時大学院生、2020年度修士課程修了)、後藤晋教授の研究グループは、応用数学の観点から、機械学習の中でも、時間大域的な最適化問題に強いという特性を持つ強化学習を用いることで、指数関数的に高速な流体混合を実現し、流体混合プロセスの最適化に有効であることを実証しました。本手法は、時間発展を記述する方程式(数理モデル)が未知な系にも原理的に適用可能です。

今後、本研究成果をベースとして、現実的な問題への応⽤や強化学習アルゴリズムの改善などを進めることにより、産業における環境負荷やエネルギーコストの軽減に貢献すると期待されます。

本研究成果は、2022年8月22日に国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

ポイント:
    ・流体混合は、さまざまな工業プロセスにおいて重要な役割を担っているにもかかわらず、流体混合を最適化する手法は確立されていません。
    ・本研究では応用数学的アプローチから、機械学習の一種である強化学習が流体混合の最適化手法として有効であることを実証しました。本手法は、時間発展を記述する方程式が未知な系にも原理的に適用可能です。
    ・今後、本研究成果をベースとして、現実的な問題への応⽤や強化学習アルゴリズムおよび実装法の改善などを進めることにより、産業における環境負荷やエネルギーコストの軽減に貢献すると期待されます。
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