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 理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの小井土大 特別研究員(研究当時、現 客員研究員、東京大学 大学院新領域創成科学研究科 助教)、寺尾知可史 チームリーダー、ピエロ・カルニンチ 副センター長(研究当時)、東京大学 大学院新領域創成科学研究科の鎌谷洋一郎 教授、産業技術総合研究所(産総研)人工知能研究センターの瀬々潤 客員研究員(株式会社ヒューマノーム研究所代表取締役社長)らの共同研究グループは、300種以上の細胞・組織における非翻訳RNAの発現をDNA配列パターンのみから予測するAIを開発しました。

本研究成果は、創薬標的やバイオマーカーとなる非翻訳RNAの探索に貢献すると期待できます。

多因子疾患などに関連する多型はゲノムの非翻訳領域に集積していますが、多型が非翻訳RNAの発現に与える影響の多くが未解明でした。

今回、共同研究グループは数十年前から行われてきた配列モチーフ解析に立ち戻り、DNA配列パターンから非翻訳RNAの発現を予測するAIを開発し、「MENTR(メンター)」と名付けました。FANTOMコンソーシアム(FANTOM5)が2014年に公開した遺伝子発現データをMENTRで学習し、過去のゲノムワイド関連解析(GWAS)の結果の再解釈を行いました。これにより、多因子疾患などのさまざまな形質に関連する非翻訳RNAを1万種以上カタログ化し、非常にまれな多型が非翻訳RNAを介して喘息などの疾患発症に影響する機序を明らかにしました。MENTRは公開され、世界中の研究者が利用可能です。

本研究は、科学雑誌『Nature Biomedical Engineering』オンライン版(11月21日付:日本時間11月22日)に掲載されました。

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