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  • 胃生検の病理診断支援AIを開発
    ――不足する病理医を支援、がん医療を確実なものに――

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 一般社団法人 日本病理学会(理事長 小田義直)と大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII) (所長 喜連川優)は、日本医療研究開発機構(AMED)の支援の下、東京大学(総長 藤井輝夫)と連携し、胃生検の病理診断を支援する病理診断支援AIを開発しました。これは顕微鏡による超高解像度デジタル画像から異常を検出する画像認識AIで、深層学習の新規開発手法(multi-stage semantic segmentation for pathology 法、MSP法)を採用しました。これにより効果的に腫瘍の有無を判定し、画像上で存在部位を特定することが可能となりました。全国10施設の病理画像を用いた検証の結果、病理医の診断とAI予測の一致率は90~97%に達しました。このAIを病理診断のダブルチェックに用いることで、慢性的不足による過重負担の病理医を支援し、さらに遠隔病理診断ネットワークに組み入れることでがん医療の均てん化が期待されます。

 本研究成果は2022年8月12日に日本癌学会の国際誌「Cancer Science」に掲載されました。

ポイント:
    ・デジタル画像技術、画像認識機械学習を用いて、胃生検の病理組織画像から腫瘍の有無を判定し、腫瘍の領域を検出する『病理診断支援AI』を開発しました。
    ・がんの診断確定には病理医による顕微鏡での病理診断が必須ですが、深層学習における新規開発手法を採用したこのAIの診断は、病理医との診断一致率90~97%の精度を達成しました。
    ・これにより、慢性的に不足する病理医の支援、および遠隔病理診断ネットワークへの活用によってがん医療均てん化(全国どこでも等しく高度な医療を受けられること)の推進が期待されます。
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